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案の定、マッシュが派手になり始め、ピィットの外にまで体当たりが始まった。 そして、4、5人が将棋倒しの様に倒れた。 もちろん、その子もその中にいる。
俺はすぐさま彼女の腕に腕を掛け、その中から引きずり出した。
***
軽井沢から福岡に帰った俺は、何する事も無く高校生をしていた。 いくつかのバンドに誘われていたがそれは断り、客演だけたまにしていた。
11月の中頃、前のバンドのケンから12月のライブで、アコギのサイドを頼のまれる。
200人程入るライブハウス。 ローカルのバンドが仲間内だけで集まってライブする、昔からある忘年会の様な集まりだ。
その事をアミに話すと、彼女は上機嫌で、
「行く! りょう君がビックリする人も連れて行くけん。」と言った。
その土曜日、学校がハネタ後、その会場に現れた俺は、確かに驚いた。 アミの横にメイさんがいる。
メイさんは俺とアミにとって、馬鹿な事をする俺達の面倒を見てくれる、姉貴の様な存在だった。
1年半前、大阪から新しいバンドを作るため博多に越してきた。
ピンクのフルスケールのベースを振り回す、少し、いや、だいぶ危ない感じのお姉さんで、彼女とは、何度か客演や対バンで一緒に成ったが、それ以前にアミが彼女に懐いていて、よくつるんでいた。
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