プレゼント

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今年は、私のメッセージは届かなかったけど……そこまで思ったところで、背中が温かく包まれてその香りが私の記憶を鮮明に呼び起こして、私は動きを止めた。 「髪伸びたね。ようやく会えた」 耳元で優しく響いた低い声に、ピクリと肩が震えた。 「4年前の約束。やっと叶った。美亜と一緒にこのクリスマスツリーを見る事」 振り向かなくても誰か解る。 会いたくて、会いたくて仕方なかった人。 更に流れ落ちる涙を隠すように、自分の顔を手で覆うと、優しく私の手が樹の手で包まれた。 「美亜やっと捕まえた……」 くるりと振り向かされて、ジッと瞳を見つめられる。 4年前よりも、落ち着いて、更に人を引き寄せる瞳の威力が増したように見える樹の瞳から目線を外すことができなかった。 そっと、流れる涙を拭ってくれた樹の指が頬に触れた。 「ねえ美亜。謝りたい事も、いろいろ話したい事も、伝えたい事もたくさんあるけど……」 そこまで言うと、樹は小さく息を吐いた。 「今も昔も変わらず俺は美亜が好きだよ。美亜は?」
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