お袋

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はあ、こんな元旦でおめでたくて、それで疲れていて寝ようとした時に。 車は停めてあるから居留守使う訳にもいかなくて、重い腰を上げる。 もう一度、チャイムが鳴る。 ピンポーンと鳴らないで、ンポーンと鳴る情けない音を聞きながら、私は玄関の前に立った。 人影から女の人。 お正月ということもあり警戒せずに私はガラガラと小石が絡まった音をたてながら玄関を開けた。 「…おはようございます」 その人は、顔の表情が抜ける私に構わずに口を開いた。 二度と会いたくないと思っていたその人は、私と同じように思ってくれていなかったのだろう。 怒るよりも、虚しさが私の胸を埋める。 「あの人に頼まれて、お子さんにお年玉を預かって来ました」 問答無用に出された袋。 随分と立派な袋じゃない。 ご祝儀かと思ったわ、なんて嫌みさえ口の中で終わってしまう。 受け取らない私に、彼女は綺麗な茶色の眉をピクリと動かした。 「早く受け取って下さい」 「…結構です」 意地じゃない、本当に心が拒否をしているみたい。 やっと動いた唇は震えていた。 .
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