堪忍袋

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堪忍袋

おかあさんの作ったお雑煮が食べたくて、私は部屋から出た。 チャイムの音に、げっ、と思う。 やだな、家のお客さんなら面倒だ。 多分、おじいちゃん達の友達とかだろうし。 もー、こんな時に留守だし、近所の神社で長居してないでよね。 接客はバイトだけにしておきたいんだから。 だけど、おかあさんが出てくれたみたいで玄関の音がする。 良かった。 一先ず部屋に戻ってお客さんがいなくなるのを待とう。 そう思ったけど、聞いたことのある声がした。 両腕に鳥肌がたつような嫌な空気に、廊下をきしませないように慎重に足を進める。 階段のところまで行って、そっと覗くと、ほらやっぱり。 あの人、おとうさんの新しい女だ。 格好も毛玉一つなくて身綺麗で、髪の毛もストレートにしているし、動作も普通だと思う。 何も分からなく初めて会った時も、ネイルについて話してくれたし、流行にも乗り遅れてない。 だけど、気持ち悪い。 おとうさんの女ってだけで、なんか…。 生活感のないところも余計に、おとうさんの女って感じで気持ち悪い。 .
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