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第三章
蘇る切情の夜
今頃あなたはどんな夢を見ているのだろう
そんなことばかりを思考して
現実の自分に戻って来るんだ
あなたと過ごしたあの日もあの日もあの日も……
そのどんな日の、あなたが見せた表情を思い浮かべる事が出来る
忘れたいとか忘れられないとかの問題じゃない
忘れてしまった過去にいつまでも縛られて生きている
そんな俺を、あなたの目が嘆くように見つめている気がして
自分を奮いたたせるんだ
忘れたのにいつまでそうしているんだ?
ほら、そこにお前を見ている可愛い娘がいるじゃないか
お前が手を差し伸べるのを待っている。
分かっているんだろう?
クールな振りして強がってると、その娘まで失ってしまうぞ
前を向いて歩いて行こうとする俺の言葉がリフレインする
あの娘だって寂しい……
お前だって寂しい
寂しい同士、手を取り合って何が悪い……
分かっているだろう
その手を離せば、また一人失うことも。
好きだとか嫌いだとかは関係ないんだ。
もう
もう二度と誰のことも失いたくはない。
ただ
ただそれだけなんだ
馬鹿だな
ああ、馬鹿だよ
想いが後からついてくることだって、あるんじゃないのか
ある……のかも、しれないね
だったら、その手を掴んだらどうだ
……怖い、のか
ああ……怖い
お前らしいな……
きっとお前は苦笑いをしてこんな俺を
慈愛に満ちた温もりで包むんだ
すれ違ったりする恋人がいても
横目で他の誰かに恋をする
そんな営みをいつまで繰り返すつもりだ?
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