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初めての正月
「白椿貴、入るよ。」
慎太郎が声をかけても返事がない。
「…」
部屋に入ると、ぐったりと褥にうつ伏せになっている小さな身体がみえた。
かろうじて上掛けはかけてあったが、大層乱れさせられた事が推し測られた。
すうすう
寝息をたてる愛しい少年の横に座り、慎太郎は愛らしい寝顔に見惚れていた。
「何?慎太郎さん、来ていたんだったら起こしてよ…」
しんどいだろうに白椿貴は、はだけた襦袢の前をかきあわせて慎太郎の膝にちょこん、と顔を乗せる。
「もう、爺のくせに何回も僕の中に入ってくるんだから…」
しとどに濡れた夜着を少年は睨み付ける。
慎太郎は、用意されている湯の張られた桶に手拭いを浸してぎゅっと絞り、拭き取ってやる。
「あん。」
白椿貴は、ぴくり と身体をくねらせる。
「慎太郎さんは、いつになったら僕を抱いて呉れるの?」
慎太郎は白椿貴の白い身体を拭き取っていくだけで、幸せだった。
「僕は君を疲れさせたくないんだ。」
白椿貴は、慎太郎の首筋を
ぺろり
となめた。
「僕が抱いて欲しいのは、慎太郎さんだけなんだ。」
白椿貴は慎太郎の首筋に舌を這わせながら哀願する。
「僕は君を…連れて行きたい所があるんだが、来てくれるかい?」
白椿貴は
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