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「行く行く!」
と無邪気な顔をする。
ツンとして客には笑顔を見せない白椿貴が唯一笑顔をみせる男は慎太郎、唯一人だけだ。
「よかった」
慎太郎は嬉しそうに笑った。
「何処に行くの?」
白椿貴は、ワクワクした顔をして慎太郎に訊ねた。
「あん。」
慎太郎が白椿貴の菊座に手拭いを当てると、彼は痛そうに声をあげる。
うっすらと血が付いた手拭いを見て慎太郎は懐から軟膏の入った容器を取りだし、軟膏を掬い、白椿貴の菊座に、そぅっと塗った。
「あああっ」
白椿貴は、白い喉を反らせた。
「い、痛かったかい?」
慎太郎は軟膏を塗る手を休めた。
「ううん。…気持ちいい…」
慎太郎は、ホッとしながら優しく軟膏を塗りつける。
こんなに傷が付くほど菊座を扱うなんて…痛々しい、慎太郎は涙が出そうになっていた。
白椿貴は自分を抱いてくれない慎太郎が、こんな時だけでも自分の菊座に触れてくれるだけで恍惚としてしまう。
「ああ、んんん…」
白椿貴は自分の熱がどんどん持ち上がっていくのをどうする事も出来ず、自然と慎太郎の指を自分の熱で持ち上がっていく所へ擦り付けていく。
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