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突然シャワーを浴びるように勧められたセオはびっくりした。
そこに深い意味があるのかどうか、ルイーズの顔を見たが、何のサインも読み取れない。
「悪いけれど、何か冷たい飲み物をいただけないかな? 途中どこも休憩せずに、ひたすら運転してきて疲れているんだ。今は温かいシャワーより、冷たい飲み物がありがたい」
「ちゃんとあなた用に冷たいレモネードを用意してあるわ。……それともソーダ水のほうがいいかしら?」
ソーダ水という言葉を口にした瞬間、ルイーズの顔のふたつのエメラルドが煌いた。
やっとルイーズの顔に笑顔が戻った。
つられてセオも笑った。
「ルイーズ」
「セオ」
次の瞬間、二人はしっかりと抱き合っていた。
「ずっとこうしたかったのよ」
「俺もだよ」
「20年遅かったわ」
「遅くないよ」
「いいえ、知ってるわよ。あなた、エマと結婚したのよね。いつもあなたを、ずっと物陰から見ていた……私、あなたがファンレターくれた時、嬉しくてすぐあなたのことを調べたの、失礼とは思ったけど。お子さんのリーアムがご病気なんですってね」
セオの胸に顔を埋めたまま、ルイーズはささやく。
リーアム! 不意に、リーアムの青白い顔が浮かんで現実に戻ったセオは、ルイーズを抱きしめていた手を放し、彼女の肩を掴んだ。
突然引き離されたルイーズは、微かに非難するような表情でセオの顔を見上げた。
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