第1章

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SR‐25のスコープを覗き、市のメインストリートを歩むゾンビの額に照準を合わせ、引き金を静かに引く。 ドキューーーーン! 銃声が響き、銃口から飛び出た弾丸がゾンビの額に穴を開け、後頭部から骨と脳味噌の破片と共に透明な液状の物を撒き散らす、ゾンビはその場に崩れ落ちた。 SR‐25のスコープを覗く男は次のゾンビの額に照準を合わせ、引き金を引きゾンビの頭を吹き飛ばす。 銃に装着している弾倉の弾が無くなるまで撃ち続けてから弾倉を抜き、弾が装填されている別な弾倉を銃に装着する。 頭上ではヘリコプターが十数機飛び回っていた。 ヘリコプターは彼が立てこもっている部屋から見えない所にある学校や、街のあちらこちらで孤立して救助される事を待っている人達を救出している。 1週間前の朝、窓からストリートを見下ろした彼の目に映ったのは待ち望んだものでは無く、逃げ惑う人達に襲い掛かるゾンビだった。 彼は即座に手にしていた銃のスコープを覗き、人に襲い掛かろうとしているゾンビの頭に銃弾を打ち込む。 その時から彼は部屋に大量に備蓄していた弾丸を使い続けている。 3日前頭上にヘリコプターが飛来して、3日後にこの街で孤立している人達の救出作戦が行われる事を知らせ、彼にもそれに備えて待機するように伝えてきた。 それに対し彼は彼自身の救出は拒んだが、ゾンビが音に寄ってくる習性を利用して囮になる事を買って出る。 それが今ストリート上のゾンビの頭に銃弾を打ち込んでいる理由。
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