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「これ、本当にゲーム…だよね?」
目の前の電車に、時折吹きつける冷たい風に美咲は酔いが一気に冷めていった。
「凄いね。 寒さまで感じるなんて知らなかった。」
雫は両手で身体を包みガクガクと震えていた。
「しかも、ちゃんと服もきてるし。」
剣はダウンをパンパンと上から叩いていた。
「これだけのクオリティーでプレイヤーが浴衣だと盛り下がるだろ?」
岳がそう言うと 「それもそうだな」 と剣は笑った。
「ねえねえ、早く始めようよ!」
美咲は目の前の電車に乗り込もうとしていた。
「あ、ちょと待って。 これ、どうやって始まるんだ?」
岳がグルリと周りを見渡すとタイミング良くアナウンスが流れた。
「一番線・二番線・三番線・四番線に列車が到着いたします。 お持ちの乗車券に書かれた列車にお乗りください。 なお、ゲームを降りたいお客様は目の前の列車にお乗りください。」
アナウンスが流れると、四人はいつの間にか握っていた乗車券を確認した。
「アナウンスも本格的だねー。」
雫は感心しながら階段を上ると三番線に向かった。
剣が一号車に、美咲が二号車に、雫が三号車に、岳が四号車にそれぞれ別れた。
四人が電車に乗り込むとアナウンスが流れだした。
「ご乗車ありがとうございます。 当列車は一号車から発車いたします。 一号車のお客様からルーレットを回してください。 それでは良い旅をお楽しみ下さい。」
アナウンスが切れると、一番線に発車メロディーが流れた。
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