ーレッツ・トレイン!ー

2/5
前へ
/70ページ
次へ
藤堂 岳 23歳 ただ今、初めての社員旅行でビンゴ大会を楽しんでおります。 「あ! ビンゴ!」 岳はステージに向かうと山のように積まれたプレゼントを見上げた。 「おめでとうございます。 では、クジを引いてください。」 ステージの上では流れ作業で進行を進める先輩の姿があった。 岳は段ボールで作られたクジの入った簡易ボックスに手を突っ込むと、一枚掴んだ。 「うわー。 緊張しますね。」 渡された番号の景品を探す先輩の後姿を見ながら、岳はワクワクしていた。 「あれ? こんなの買ったかな? お前買った?」 「いや、俺は買って無いけど…。」 番号の付いた景品を手に岳の前に向かう先輩は首を傾げていた。 「はい。 景品です。」 岳は渡された景品を手に座席に戻っていった。 座椅子に座り直した岳はペリぺリと熨斗を剥がしていく。 「レッツ・トレイン! 何だこれ?」 熨斗の下に隠れていた文字を読むと岳は首を傾げた。
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加