2 ーゲームスタートー

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「おー! いよいよか。」 剣は目の前に現れたルーレットを回した。 スピードを落としながらゆっくりと矢印が止まる。 「3だ。 3ってなんだ? 車を運転する?」 剣が路線図を確認しているとゆっくりと電車が発進した。 「皆ー! お先にー!」 聞こえてるか分からないが、剣は三人に向かって手を振った。 駅を出た列車は景色を変えながら進む。 「サーキット場。 サーキット場に到着いたします。 制限時間は一時間になります。 直ぐにレースが始まります。 お早めにフォーミュラカーにお乗りください。」 目の前に広がる巨大なサーキット場に剣のテンションは一気に上がった。 剣は飛び出すように列車から降りると自然と早足になる。 「うわー! すっげー!! マジかよ!」 剣の目の前には実際にF1で使われるレーシングカーが置かれていた。 いつの間にかレース用のピットスーツに着替えている剣は興奮気味にドアを開けシートに座った。 「マジか…。 リアル過ぎてゲームに思えないし。」 剣がハンドルを握ると自動的にエンジンがかかった。 2.3度アクセルを踏み込むと、唸るエンジン音に剣は身体を痺れさせた。 剣はニヤリと笑うとゆっくりと車を発進させスタートラインについた。 剣の他に七台が並び、それはさながら本物のレースのようだった。 唸るエンジン音に観客の声援。 早くなる鼓動にハンドルを掴む手に力がこもった。 レッドシグナルが一列灯る度に剣はアクセルを踏みエンジンを唸らせた。
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