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「それでは、発表していきます。まずは珠子様。得票数は2票です」
会長の忠志様と、お姉ちゃん大好きな淳志様の票でした。
「続きまして、雅志様。得票数は1票です」
当主の仁志様の票です。雅志様はがっくりと項垂れてしまいました。
「そして、清子様。得票数は2票です」
珠子様と雅志様の票でした。プレゼンターが、最も票を集められなさそうな人に投票するのは、予算委員会では定石ですね。
「というわけで、最も得票数が多かったのは、3票を獲得した、淳志様です!」
一斉に拍手が巻き起こる中、まだ納得できない雅志様が、口を開きます。
「どうするのさ、俳優は呼べないんだろう?ヒーローショーに100回行くのか?」
すると、淳志様に投票したマツ様が言いました。
「ゴールデンウィークにイベントがあるでしょう?ほら、そこのショッピングモールで。あれの主催者名簿に、私も載っているの。今度、イベントの会議で提案してみるわ。仮面ライダーを呼んでみたらどう?って」
「あらお義母様、実は私も、街のイベントで仮面ライダーをご招待すればいいんじゃないかって思っていたんです」
幸子様は、喜んでマツ様に同意しています。
「仮面ライダー役の俳優って、今超人気のあの人でしょう?わたしも会ってみたい」
清子様は、どうやらイケメン俳優に夢中のようですね。
マツ様、幸子様、清子様の3票を獲得し、お年玉は、淳志様の手に託されることになりました。今回の予算委員会、金額が大きいこともあって、いつにも増して盛り上がりましたね。それではまた来年、お会いしましょう。松の内の寿家は、司会の家政婦、佐藤和美がお送りいたしました。
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