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わたしは10才。小学4年生である。
今年の8月に誕生日を迎えたことによって、年齢が二桁の大台にのったのである。ふたたび一桁になることはもうないだろう。要するにわたしも、いつまでも子供ではいられないのである。
現代、これほどまでに見事なまでの不安定な世界情勢のなかで、わたしが未来に夢を馳せるようなこともないだろう。
だがしかし、たとえどのような不運がわたしの未来に待ち構えていようとも、それを予知できないことも確かなことだ。
つまり、どのような不運が、否、幸運も含めて、この先に何が起こるかわからないのであれば、それらに冷静に対処をできるように、わたしは万全の態勢をいまからでも整え始めなければならない。
近年、およそ3年間でわたしが公に提唱し続けてきた将来の夢、否、目標は『よいおよめさんになること』である。この目標を掲げることによって、或いは、達成に至ることによって、わたしが子供を授かることになる可能性は、現段階では高いだろう。
ならば今から、将来のわたしの子供たち……おっと、思わず複数形で言ってしまったのは、わたしは心のどこかでは、(やっぱり子供は2人は欲しいな)と望んでいるからかもしれない。
まあそれはさておき、その子供たちのためにも、わたしは今年からお年玉を貯めねばならない。そして、このお年玉を、わたしの子供たちのお年玉にあてることで、遠い未来、世界がどんなに崩壊しようとも、正月には、難なくお年玉を渡すことが可能になるのである。
その日のためにも今正月、各方面から徴収したお年玉で、まっ先に購入しておかねばならないものがある。それは『お年玉袋』である。そして、残りは全て貯蓄にまわさねばなるまい。しかしそのためには、お父さんとお母さんを説得せねばならない。強敵だ。『備えあれば憂いなし』この一言で、我が気持ちを訴え、なんとか説得できればよいのだか。カウントダウンは既にはじまっている。
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