いかないで

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 気が付いて目をうっすらと開けたら、真っ白な天井が見えた。  左手に、透明なチューブがくっついている。  その横に立っているのは、お父さんとお母さんと、看護婦さん、かな。  でも、まだだるいなって思った僕は、もう一度目を閉じた。 「ダメです、じっとしていないと!」 「春樹!春樹に会わせて!」  知らない声と、あれはお姉ちゃんの声かな。でも、だるくって、声を出す気にも、目を開ける気にもなれなかった僕は、そのままじっとしていた。  
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