いかないで

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「うん、確かに春樹は治らない病気らしい」 「ほら、やっぱり!」 「でもな、命に係るようなもんじゃないんだよ。そりゃあ、薬は欠かせないけど、日常生活には特に問題はないんだ」 「でも、じゃあどうし、て、、倒れたの」  お姉ちゃんの声が、少しだけ小さくなった。落ち着いたのかな。 「春樹は、なんて言うか、人より赤血球が少ないそうだ。それで、貧血になりやすい。今回のこれは、泣き過ぎと、秋絵が無事だって分かって安心したせいだよ」  そこから先の事は憶えていない。どうやらそこで、僕は寝ちゃったようだ。
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