約束

1/3
前へ
/22ページ
次へ

約束

 目が覚めると、ベッドの左側に、お姉ちゃんが座っていた。 「お姉ちゃん、手、大丈夫なの」  僕が声を掛けると、お姉ちゃんは目を拭って、僕を睨んだ。 「心配させんじゃないよ、もう」  そう言って、僕を抱きしめようとしたのか、体を屈めて、すぐに右腕が痛い事に気が付き顔をしかめた。 「いてててっ」  そう言って体を起こすお姉ちゃんを見ていたら、僕は急に可笑しくなった。 「何よ、笑う事ないでしょ」  そう言って睨むお姉ちゃんも、一緒になって笑っていた。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加