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「ねえ、春樹、お姉ちゃんと一緒にゲームしない?」
僕、町本春樹には、秋絵というお姉ちゃんがいる。
お姉ちゃんは中学校三年生、歳の離れた僕は、小学校二年生。
町中で、お姉ちゃんと一緒に歩いてて、お姉ちゃんの友達に会ったりすると、大体は五分程度そこで立ち止まらなきゃならなくなる。
「キャー、可愛い」「何々?秋絵ちゃんの子?」「馬鹿ねぇ、弟に決まってるでしょ」 その会話は、何度も聞いた。その後は決まって、僕の髪の毛がぐしゃぐしゃにされた。
僕は余り悪い気はしなかったけど、お姉ちゃんは友達が居なくなると、直ぐに不満げな顔をした。
それまでのお姉ちゃんは、家でも余り僕とは会話がなかった。
「歳の離れた弟さんって、可愛くてしょうがないでしょ」
近所のおばさんにそう言われて、その時は笑顔で返してるけど、おばさんが居なくなると真顔に戻ってた。
そんなお姉ちゃんが、急に僕を構うようになったのは、僕が小学校に入学した後位だった、と思う。
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