いかないで

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 その日は、お姉ちゃんの入学式だった。  朝から、お姉ちゃんとお母さんは慌ただしくて、僕は食パン一枚と牛乳を出されただけで、ちゃんと学校行きなさいよ、と言われてそれっきり。  ちょっと寂しかったけど、今日は仕方ないのかな、と思いながら、僕は学校に行った。  三年生になって、新しい教室を確認して席を探していると、まだ始業のチャイムも鳴らない内に、先生が息を切らしながら入ってきた。  新しい担任の先生かと思ったけど、よく見たら教頭先生だ。
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