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二人でぶらぶら歩く。
「バクでかっ」
「私、この子のぬいぐるみあるよ。一緒に寝てる」
「へー」
「抱き枕だから大きいよ。すっごい気持ちぃよ。意外と筋肉質で固いの」
「…筋肉質で固い抱き枕…気持ちいい」
妙に考えこむ藤ケ谷くん。何故かむせている。
「え?なに?」
「いやいやいや」
藤ケ谷くん、大慌て。何故か真っ赤だ。
「かわうそ、かわいー」
「だじゃれ?」
「いやいやいや」
お昼ご飯。
「まさか、お弁当?」
「うん。あ、好き嫌い多い?」
「ない!北山さんが作ったら絶対ない!」
「ほとんどお母さんが作ったんだけど、でも卵焼きと唐揚げ当番は私。あ、あとうさぎりんごは私。おむすびはツナが私、梅がお母さん」
「ツナどれ」
「ハートの形の海苔がツナだよ」
「ツナもらう」
藤ケ谷くんが私のおむすびを食べ始めた。
涙目になっている。
「うまい」
「ホント?」
「うん」
嬉しそうなので、私も嬉しい。
(でも梅むすびを食べてくれそうにないから、これは私が食べよう)
パクッと頬張っていたら、藤ケ谷くんの手が伸びてきた。
(え?)
「ごはんつぶが唇の端っこについてるよ、ほら」
藤ケ谷くんが取る。
「北山さん、甘えっ子」
そのまま食べてしまう藤ケ谷くん。
(たまに子供っぽいのに、時折大人…)
藤ケ谷くんのアンバランスさにキュンッとする。
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