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「世界中の何よりも俺はあなたをとるから!」
「…」
私は呆然と、藤ケ谷くんとマネージャーさんを見る。
(バスケうまいって聞いてたけど、高校はスポーツ推薦……)
でも。
(大学まで推薦予定なんて知らない。
どこに住んでるのかも
好きな食べ物も)
そう。私は。
(なんにも知らないんだ)
このマネージャーは中学の頃の藤ケ谷くんも知っている。
きっと何もかも知ってる。
『藤ケ谷は、今が一番大切な時だから』
(大学にはスポーツ推薦進学、そしてプロの道……。そんなおおきな目標があるんだ)
それなのに。
「俺が一番大切なのは北山さんだけど?」
かすれた声で藤ケ谷くんが言う。
「初めて会った時、合格発表の日。
俺は推薦だから、友達の合否が気になって見に来てたんだ。
蟹枝と鰍沢はチームメイトだからね」
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