第5章 はじめてのお別れ

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私は家に帰って、それからずっと考えて。晩御飯も食べないでかんがえて。 そして翌日、藤ケ谷くんを呼び出した。 「藤ケ谷くん、やっぱダメだ」 私は藤ケ谷くんに言った。 「友達で始めようと思ったけど、藤ケ谷くんはバスケを頑張らないといけないでしょ。 ……遠山先輩にあのあと言われた。 バスケは集中力が大切だから、チームワークを崩すような状態になったらいけないって。 だから、やめとこ?」 藤ケ谷くんは、私をじぃっと見つめている。 まるで焼き付けるように。 やがて、かすれた声で藤ケ谷くんは言う。 「あなたが俺を想うより、俺の方がずっとあなたを好きだから。俺は…勝ちようがないんだ。 あなたの言うとおりにする」 「…藤ケ谷くん」 「俺、3日間楽しかった。藤ケ谷さんを好きになって一年間、浮き立ってたけど、この3日間は神様がくれたご褒美だと思ってる。 俺はあなたを好きでいるから。 あなたは俺を忘れて」 「…藤ケ谷くん」 藤ケ谷くんは、きゅっと笑った。 「じゃ」 立ち去る藤ケ谷くん。 私は わずか3日で初めての彼氏と別れてしまった。
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