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私は家に帰って、それからずっと考えて。晩御飯も食べないでかんがえて。
そして翌日、藤ケ谷くんを呼び出した。
「藤ケ谷くん、やっぱダメだ」
私は藤ケ谷くんに言った。
「友達で始めようと思ったけど、藤ケ谷くんはバスケを頑張らないといけないでしょ。
……遠山先輩にあのあと言われた。
バスケは集中力が大切だから、チームワークを崩すような状態になったらいけないって。
だから、やめとこ?」
藤ケ谷くんは、私をじぃっと見つめている。
まるで焼き付けるように。
やがて、かすれた声で藤ケ谷くんは言う。
「あなたが俺を想うより、俺の方がずっとあなたを好きだから。俺は…勝ちようがないんだ。
あなたの言うとおりにする」
「…藤ケ谷くん」
「俺、3日間楽しかった。藤ケ谷さんを好きになって一年間、浮き立ってたけど、この3日間は神様がくれたご褒美だと思ってる。
俺はあなたを好きでいるから。
あなたは俺を忘れて」
「…藤ケ谷くん」
藤ケ谷くんは、きゅっと笑った。
「じゃ」
立ち去る藤ケ谷くん。
私は
わずか3日で初めての彼氏と別れてしまった。
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