第1章 お菓子のおうちに食べられちゃう

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(バイトのお金が入ったーーー!) 私はしみじみと興奮する。 高校1年の春、お母さんと約束をした。 学年一位を入試で取りはぐれた私。 そのあとのテストでずっと一位が取れたら、2月からバイトをして良い約束。 それで、1ヶ月間、短期アルバイトをした。 そのお給料がついに入ったのだ。 (うれすぃ~) どちらかというと過干渉な母の元、乳母日傘で育ったタイプの私に初めてのバイトは厳しいところもあったけれど、おばさまがたに鍛えられ 、ちょっと母の気持ちもわかり、良い社会勉強でした!! 今日は母へのお礼も兼ねて、なんか買ってかえろう。 (ついでに私も食べ歩いちゃうぞ!) そう。今日は1人で食べ歩き☆ 私、北山ありす、高校2年。 今日は、食べ歩きの友(=アッキーこと野村明穂)が補充学習で居残りだから、一人でオヤツ。 しばらく歩いていたら潮の薫り。 (わあ、この辺、海が近いんだなあ) 私は深呼吸をする。 (磯の香りって美味しそうだなあ。おにぎりが似合いそう……。 お団子もいいな。 いや、くずきりも好きだな…… 味噌田楽に近いお菓子もいい…… ああ、和菓子、大好き……) そして。 (なんか、今日、ついてる!?)
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