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思えば、母は私に理想を押し付けてばかりでした。
自分が出来ない事を私にやらせたかったのです。
夢の国のプリンセスシリーズのビデオテープが揃っているのが自慢でしたが、それは母の憧れから買ったものでした。
ピアノ、バレエ、英会話、水泳等、散々させられましたが、やめたいと言ってもやめさせてくれませんでした。
それは、私に自分の夢を押し付けた結果でした。
その証拠に、母自身今からでもやろうと思えば出来たのにしませんでした。
私の夢で無いものに、私が意欲を出せるわけもなく。
本気でやっている人に悪いなと思っていました。
ピアノだって、練習しろと怒鳴られて見張られていては、ヤル気など起きるはずもありません。
私は恵まれているのに、自分の意志で選んだ事はありませんでした。
小学校の卒業アルバムで気が付いたのですが、私だけ髪がバサバサでおかしな服を着ていました。
母はオシャレのセンスや思春期の子供への配慮が皆無でした。
だから、制服のある中学校は本当に助かりました。
裕福なハズの家庭で、お小遣いはほぼ貰っていませんでした。
小学校のアルバムを見て目が覚めましたが、女子としての努力をする余裕はありませんでした。
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