友達・自由・親切

6/7
前へ
/17ページ
次へ
思えば、母は私に理想を押し付けてばかりでした。 自分が出来ない事を私にやらせたかったのです。 夢の国のプリンセスシリーズのビデオテープが揃っているのが自慢でしたが、それは母の憧れから買ったものでした。 ピアノ、バレエ、英会話、水泳等、散々させられましたが、やめたいと言ってもやめさせてくれませんでした。 それは、私に自分の夢を押し付けた結果でした。 その証拠に、母自身今からでもやろうと思えば出来たのにしませんでした。 私の夢で無いものに、私が意欲を出せるわけもなく。 本気でやっている人に悪いなと思っていました。 ピアノだって、練習しろと怒鳴られて見張られていては、ヤル気など起きるはずもありません。 私は恵まれているのに、自分の意志で選んだ事はありませんでした。 小学校の卒業アルバムで気が付いたのですが、私だけ髪がバサバサでおかしな服を着ていました。 母はオシャレのセンスや思春期の子供への配慮が皆無でした。 だから、制服のある中学校は本当に助かりました。 裕福なハズの家庭で、お小遣いはほぼ貰っていませんでした。 小学校のアルバムを見て目が覚めましたが、女子としての努力をする余裕はありませんでした。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加