幼い頃の記憶

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幼い頃の記憶

私の家は商売をやっていて、 幼い頃は裕福な方だったと思います。 祖母との4人暮らし。 一軒家に住んでいたし、生活に困った記憶はありません。 他と違う所があるとすれば、 食事はいつも店の商品の余り物だったこと。 だから私にはいわゆるおふくろの味が無いと言っていいと思います。 そして、寝る間も惜しんで働いている父が必ずお出かけの運転をしていたこと。 母はモデルハウスに行きたがり、さらによく宝石を買っていました。 幼い私にも、それが異常に思えました。 しかし、小さな子供に何が出来るでしょうか。 親がすることを間違っているなんて言えるでしょうか。 それがどんな事なのか理解出来たでしょうか? 私がもっとしっかりしていれば良かったのでしょうか? 私が天才か何かだったら変わったのでしょうか? しかし、それが私の人生の始まりで、全てでした。 成人してから気が付く事ですが、私の母は買い物狂いでした。 母は私の世話を祖母に押し付け、気が付くと私の髪の毛にはしらみが出ていました。 それでも母は、モデルハウスと宝石屋に通いつめました。
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