クリスマスイブ

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「おいっ待てって……本当に良いのか?本当に俺達別れてそれでお前平気なの?」 「別れたいのはそっちじゃん。ばかぁ……」 「だからお前誤解してるだけだって。俺が好きなのはお前だけだろうが」 逃げないようにと彼が私の腕を掴む。 「だったら何でっ……何で走ってきてくれないのよ。彼女と悠長に歩いてきたんでしょ?それで誤解とか言われて、はいそーですか何てなれないでしょ!?とにかく寒いの。私寒いのっ!ずっと外で待ってたから寒いんだって!だから帰るってっ」 「レストランどうすんだよ?予約してたの楽しみにしてたじゃん!」 「そんなのっ、キャンセルしたに決まってるでしょ?最初は少し遅れるって電話して。それでもまだ来ないから一時間後に時間変更してってお願いして。洋太が五十分待っても来ないから今日はキャンセルしてくださいって言ったわよ。キャンセル料はそっちが払っておいてよね」 彼の腕を強引にほどき、踵を返して一歩を踏み出した。 途端にぎゅっと後ろから抱き締められた。 「……ごめん。俺のせいで。知華今日のデート凄く楽しみにしてたのにな……俺だって……。でも本当に、俺が愛してるのはお前だけだから。……だから知華」 「いやっ……ばかっ離してっ!もう嫌いだもん勝手に浮気でも何でもしちゃえっばかっ」 私を抱き締める彼の手を振りほどこうともがく。 それでも中々放してくれない彼をきつく睨んだ。
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