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「ハハッ、元気だね。…僕はここの部長を務めている真田芳樹だ。何か分からないことがあれば僕に聞いても構わないよ。……早速、森下君と喧嘩したみたいだしね？」
苦笑いを零しながら、吉沢に向かってそんな事を言うので、吉沢も思わず苦笑いが移ってしまった。
「喧嘩というか…何というか……」
「…森下君はすごく仕事に厳しい人だからね。悪い人では決してないんだよ？……真面目だからこそ、他人にも厳しいだけで…本当は良い人だからね。」
なんて、真田がフォローを入れるが…吉沢にとっては第一印象が悪すぎて『良い人』には全く見えない。
「あー…はい。」
「まぁ、色々と大変かもしれないけど…僕は森下君が君の教育係で良かったと思ってるよ。…沢山、学べると思うから。」
「……はい、頑張ります。」
ペコリとお辞儀をした吉沢は、次の挨拶へと向かう。
そこでも、「早速森下を怒らせたなぁ」や「大変だったら私たちに言ってね？」やら「森下さんは誰にでもあんな感じだから仕方ないよ」と他の人は皆、吉沢を励ましてくれた。
－－－他の人たちが思いの外、歓迎ムードで…吉沢はホッとしていた。
……大丈夫だ、自分に興味がないのは森下だけなのだと確認が出来ただけでも少し気持ちの余裕が出来たのだ。
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