第1章

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何だか清々しい顔をして言い切った原田だったが…吉沢は理解は出来るが共感出来ずに少し首を傾げていた。 ---一応同じ部署に配属されてて、1人だけが評価されている状況なのに…そんな1人を純粋に応援出来るって、普通なら出来ないのでは無いかと思ったからだ。 ……吉沢自身、いかに周りに気を遣って気に入られるかだけを考えてきたため、本心で何を思っていようが関係無かったからだ。 だから他人をこんな風に尊敬した事はないし、応援することもなかった。……勿論、表面上ではあたかも尊敬していて応援しています!的な姿勢を見せても。 「そういう…もんなんですかね……?」 「まぁ、今はわからなくてもそのうち俺が言ってることが理解できると思うよ。……だから、そういう点では森下が吉沢君の教育係で正解なんだと思うな、俺は。」 「……はぁ…。」 何だかピンとこない吉沢だったが、とりあえず相槌だけは打っていた。 「まぁ、無駄話はこれくらいにして…とにかく俺たちの仕事はクライアントの要望をいかに実現化してイベントを企画するかってとこだね。会場には実際に行ってみたりするし、情報集めとかも結構苦労するとは思うけど、企画が通って実際にイベントをやるってなったら…本当に達成感がある仕事だと思ってる。」
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