第1章

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---この人は本当にこの仕事が好きでやっているんだな…と吉沢は実感させられた。……そして、頼る時はこの人になるべく頼るようにしようと決意した。 「はい…。原田さん、詳しい説明ありがとうございました。お陰で良く理解出来ました。」 「そっか!それは良かった!!じゃあ早速森下に報告しないとね。」 そう原田は言うと、森下の元へと向かい…何やら気さくに話している様子。 ……森下の表情は相変わらずだが、しっかりパソコンから目を離し、原田の話している声に耳を傾けているのが窺える。 「吉沢。」 森下に名前を呼ばれた吉沢は、肩を少し揺らし、ビクッと反応した。 「はっ…はい!」 「ちょっとこっち来い。」 「わかりました!」 先ほどまでとは違い、シャキッとした吉沢は早足で森下の元へ向かった。 「な…何でしょうか?」 「お前…大体企画部の内容を把握したみたいだな。」 「あっ、はい。原田さんのお陰で。」 と、隣に立っている原田を見てニコリと微笑む吉沢。 そんな吉沢を見て…原田は馬鹿正直!と心の中で呟いていた。 「…まぁ、そうだろうな?原田の説明を聞いてわからない奴はただの馬鹿だろ。」 そう言ってフッと鼻で笑った森下に、吉沢は何とか顔を歪めないように努力した。
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