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---この人は本当にこの仕事が好きでやっているんだな…と吉沢は実感させられた。……そして、頼る時はこの人になるべく頼るようにしようと決意した。
「はい…。原田さん、詳しい説明ありがとうございました。お陰で良く理解出来ました。」
「そっか!それは良かった!!じゃあ早速森下に報告しないとね。」
そう原田は言うと、森下の元へと向かい…何やら気さくに話している様子。
……森下の表情は相変わらずだが、しっかりパソコンから目を離し、原田の話している声に耳を傾けているのが窺える。
「吉沢。」
森下に名前を呼ばれた吉沢は、肩を少し揺らし、ビクッと反応した。
「はっ…はい!」
「ちょっとこっち来い。」
「わかりました!」
先ほどまでとは違い、シャキッとした吉沢は早足で森下の元へ向かった。
「な…何でしょうか?」
「お前…大体企画部の内容を把握したみたいだな。」
「あっ、はい。原田さんのお陰で。」
と、隣に立っている原田を見てニコリと微笑む吉沢。
そんな吉沢を見て…原田は馬鹿正直!と心の中で呟いていた。
「…まぁ、そうだろうな?原田の説明を聞いてわからない奴はただの馬鹿だろ。」
そう言ってフッと鼻で笑った森下に、吉沢は何とか顔を歪めないように努力した。
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