第2章

26/28
542人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
そう言って机の上に出された『契約書』。そこには細かい文字ではあるものの、簡潔に内容が書かれている。 「まず一つ目、『料理は森下が全て作る。食材を買うのも全て森下が負担する。』勿論、3食全て俺が作る。飯が必要ない時は言ってもらえると助かる。」 「はい、分かりました。」 「二つ目、『掃除、洗濯、皿洗いなどの料理以外の家事は全て吉沢が行う。それに必要な物は全て吉沢が負担する。』今までは俺が洗剤とかを用意していたが、これからは吉沢に用意してもらう。」 「はい。」 「三つ目、『吉沢には森下の家に同居してもらう。』これは今すぐにでも可能か?」 「あ、今すぐは無理ですけど…契約がちょうど切れそうで、次住む場所探してたので俺としても助かります。」 吉沢は自分の大学付近に部屋を借りていたため、会社からは結構遠い場所にあり、契約もちょうど切れるところだったので会社の近くで部屋を探していたのだ。 「そうか、分かった。じゃあ四つ目、『家賃や光熱費などは全て2人で負担する。』この家に住む以上、吉沢にも半分は出してもらうが…いいか?」 「あ、それは全然構いません。元々同居するんならそれは当然ですし。」 「…常識はあるみたいで良かった。」 ---は?と思った吉沢だったが、そこはグッと堪えた。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!