第2章

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「じゃあ最後だ。…五つ目、『この家には誰も連れ込まない。』女も男もだ。もし女が居るんならホテルにでも行ってくれ。決して連れ込むなよ?帰ってこない分には全く構わないから。…勿論、俺も社会人になってからは友達すら家に呼んでいない。……だって嫌だろ?嫌でも会社とかで顔を合わせるのに、私生活も知られてると思うと…。」 そう言いながら嫌そうに顔を歪める森下。そんな森下を見て、よく自分なんかをこの家に住まわせようとしたなぁと感心していた吉沢であった。 ---まぁ、それだけ今のこの現状が嫌だったんだろうな…。 「じゃあ、友達と飲む時も…」 「そうだ、勝手に居酒屋とかで飲んで来い。そういう時は連絡してもらえれば俺もお前の食事は用意しないでおく。」 「…はい、わかりました。」 「じゃあこれで全てだ。この説明を聞いてもなお、この契約書に同意する気が少しでもあるのならここにサインしてくれ。…あ、もしこの契約書を破った時にはすぐに追い出してやるから…覚悟しとけよ?特に、五つ目…な?」 契約書をトントンと指差し、下から吉沢を睨み付ける森下は…いつもの2割り増しで人相が悪かった。 吉沢はゴクリと唾を飲み込むと、ペンを握り…負けじと森下を見返した。
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