第3章

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「……そうですか…。」 「ちょっと!勘違いしないでよ!本当に仕事仲間として好きってことだからね?森下さんには言わないでよ!?」 そう顔を赤くして言い返す斎藤は、それだけで森下のことを好きと言っているようにしか見えなかった。 ---そんな中、吉沢の胸の奥は……何故か騒ついていた。 「おはようございます!」 そんな気持ちに気付かないふりをして、吉沢は元気よく挨拶をして会社へと出勤した。 「…あぁ、おはよう。」 チラッとこちらを見つつ、すぐにパソコンに向き直った森下。 ---少しだけ、吉沢が斎藤と共に出勤してきたことが気になった様子であったが、今の森下にはそんな事を心配している暇はない。 「真田部長、こちらが当日のイベントの流れとなっています。」 「おぉ、ありがとう森下君。もう少しでイベントも近いから頑張ってくれてるね。」 「はい。残り1週間を過ぎたので、本腰を入れていきます。」 「でも、無理のしすぎは良くないからね。体調崩したら元も子もないし。」 「お気遣いありがとうございます。体調も万全にして、今回のイベントに臨みたいと思っています。」 「…相変わらず真面目だねぇ。僕も手伝えることは手伝うから何かあったら言ってね。」 「はい、ありがとうございます。それでは失礼します。」
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