第1章

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「い、いや…でも俺……人に教育するとか、よくわからないのですが…。」 会社側が森下に期待してくれているのは十分わかるが…森下にとって、その要求はすんなり受け入れ難いものだった。 「お前はプロジェクトリーダーでもあるし、大変だとは思う。けど、教育することで新しい発見もあるかもしれない。…だからやってもらいたいんだが……」 「やりたくない」とは言い難い雰囲気を作られ、森下は渋い顔をしながらも口を開いた。 「…わかりました。俺に務まるかどうか不安ですが、精一杯尽力させていただきます。」 「おぉ、森下ならそう言ってくれると思ったよ!よろしく頼んだぞ。」 上司はバシバシと音が出るぐらい強く森下の肩を叩いて「これで部下に仕事を回せたぞ!」という顔をしていた。 ---今まで会社の中では誰とも関わらないようにしてきた森下は、これからの自分の会社での仕事に支障が出るのでは…と危惧し始めていた。 無理矢理上司から新入社員の教育係を押し付けられてから約2週間後……ついに、新入社員が会社に来る時期となっていた。 上司から事前に新入社員の情報は聞かされていたが…自分には絶対合わない人間だ、という思いが森下を支配し、彼の機嫌は朝から最悪だった。
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