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必要な書類を提出した森下は、席に着くなり「はぁぁぁ」っと長い溜息を吐いた。
これで後はイベントを待つのみ、というところまで来たためだ。
「斎藤!」
森下は斎藤を呼ぶと、先程部長に提出した書類を彼女にも渡した。
「これ、お前も当日イベントに来るだろう?目を通しておいてくれ。」
「はい、分かりました。お疲れ様です、森下さん。コーヒーか何か飲みます?」
「あー…今はいい。後で自分で淹れるわ。」
「はい、それでは。」
斎藤は森下の前では気丈に振る舞い、やはり出来る女、頼り甲斐のある女感を出しまくっていた。
「吉沢、吉沢!」
そんな2人の光景をボォーっと見つめていた吉沢。心ここにあらずといった状態だ。
「聞こえてんのかって、吉沢!」
そう言って森下はポカッと丸めた資料で頭を叩いた。頭を叩かれた吉沢は、やっとそこで意識を取り戻した。
そして、思ったよりも近くにあった森下の顔に思わず驚き、後退した。
「は、はい!すみません!な、何ですか!?森下さん!」
「…そんな驚くことないだろうが…。これ、次のイベントで使う資料だからお前も目を通しておけ。後、万が一誤字脱字があった場合には俺に教えてくれ。早急に直す。」
「わ、わかりました!」
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