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■母は、私が物心ついた時から家族に阻害されていた
私と、二歳年の離れた姉。まだ幼い弟。
父方の祖母は勿論、夫である筈の父でさえ「あいつには構うな」と私に言い聞かせた。
だからといって、誰かが母に暴力を振るう。
または汚い言葉で罵ったり、そんな出来事は無かった。
ただ、彼女は家族の誰からも相手にされなかったと記憶している。
一家団らんの中に、いつだって母は居ない。
家族の誰もが、母を母として触れ合う事は無かった。
ただ一人だけ、家族であって、家族と認められ無い人。
部屋の隅で、俯いている記憶しかない。
しかし、私だけは違う。
普通の母親と同じように、いつだって彼女に話しかけたし傍で時を過ごした。
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