■薄幸な母

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母は、私が物心ついた時から家族に阻害されていた。 弟は、立ち尽しブツブツと戯言をいい始める。まだ酔いつぶれてもいないのに。 ひたすら、繰り返し呟く。どんどんと声が擦れていく。 「兄ちゃん、俺たちが産まれた時に出て行ったよ…うちに母親はいないよ……籍だって入ってないし今どうしてるかなんて知らないよ……うちに母親はいないようちに母親はいないようちに母親はいないようちに母親はいないようちに母親はいないよ」
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