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約2年後、大学を卒業した私は東京で就職した。
それが決まった時、亜夜に理由を聞かれた。
私は色々と理由をつけて話したが、結局は逃げたかっただけなのかもしれない。
もう清算した恋だったけど、過去が変わることはなくて。
亜夜を好きだった過去に背を向けるためにその場所を離れたくて。
前を向いて歩きたくて。
先生はただ笑って「頑張れ」って。
「ごめん」って言葉はもう聞きたくなかったから。応援してくれたから。
すごく嬉しかった。
その時、私は幸せへ向かって歩きはじめたと思う。
自分で新しい未来を探しはじめたと思う。
そんな生活の中で、私が亜夜と同じ顔で笑うあの人と出会うのは、また別のお話。
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