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少しして先生が1人で戻ってきた。
「どうして……」
自然と言葉が出た。
こんなこと言うつもりなんてなかったのに。
仕方がないのに。誰のせいでもないのに。
感情が抑えられなくて。
「私の気持ち、知っていたのでしょう……?」
涙が流れた。
「どうして、私じゃだめだったんですか?」
先生は何も言わない。
俯いたまま、1度出た言葉は止められない。
「ずっと、好きだったのに。あなたに会う前からあの子だけを見てきたのに」
そう、先生に会う前から。あの子が恋をする前から。
隣にいたのはずっと私だったのに。
「……ごめん」
謝らないで。先生が悪いわけじゃないんだから。
これ以上汚い感情を見せたくない。
なのに、止まらない。
「いつか言いましたよね……?『頑張って、応援してるよ』って。これが、あなたの応援ですか……?」
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