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書くものを持っていない人はボールペンを会場のスタッフさんから借りることになり、結局僕たちは未来の自分に宛てた手紙を書くことになった。
荒木は僕の横で、何を書いているか見られまいと必死に便箋を隠していた。
けれど、僕は荒木の手紙を覗き込む余裕なんてなかった。
ほんの少し、呼吸が浅くなっている。
胸の奥で、感情が暴れたまま治まらない。
目の前にあったビールをぐい、と勢い任せに喉に流し込み、ジョッキをがたん、と音を立ててテーブルに置いた。
そして、僕はやっとペンを握った。
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