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「え?」
戸惑う一瞬で藤守の手を引き、掌を上に向け、封筒を握らせた。
「あ、阿久比」
「違うぞ。俺はちゃんと受け取った。お前のプレゼント」
封筒を離されないよう、俺は両手で藤守の右手を包むように握る。
「これは、俺から、藤守へのプレゼントだ。それ以上も、それ以下もない」
「阿久比」
「俺がもらったモノだから、俺が自由に使って良いはずだ。だから俺は、『意味』に囚われない行動をしてみた。それだけだ」
俺が決意を持って藤守を見据える。目が合うと藤守はフッと笑みをこぼし、
「そうきたかー!」
天を仰いで声を上げた。
≪終≫
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