弱虫ブルーと、魔界の王

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階段の上から僕達を見下ろして、リア・リセスは静かに冷笑している。 その血も涙もない赤い眼に睨まれただけで、僕の身体は石のように固まって動こうともしない。まるメデューサの目でも見てしまったかのようだ。 あのレッド君でえ、身体を震わせている硬直している。 きっと他のヒーロー達がどんなに加勢に来てくれたとしても、リア・リセスには勝てはしない。 どんなに頑張っても、どんなに力を合わせても、有り得ない奇跡が起こらない限り、犠牲者が増えるだけだろう。 これが、テレビと現実の差だ。 愛と勇気があっても、仲間を信頼する気持ちがあっても、希望を捨てなくても、目の前の最強には太刀打ちできない。 絶望的だ。 そしてここまでが、ヒーローとしての僕が感じた事で。ここからが、僕個人として感じた感想だ。
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