弱虫ブルーと、魔界の王

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間近で見るとリア・リセスの髪や、目や、口が、一つ一つがくっきりと綺麗に見える。 意外と目が細いとか、睫毛が長いとか、どこか花のような甘い香りがするとか。 こんな状況なのに、結局僕は目の前にいる彼の美しい顔だちに見惚れている。 「貴様は面白いな」 「え?」 「先ほどまで怯えていたと思えば、またそのような目をして俺を見つめる」 「いや!これは!」 リア・リセスはさらに僕の顔を興味津々に覗き込んで、殺意のない意地悪な笑みを浮かべた。 「貴様、さっき言った言葉は本当か?」 「さ、さっき言った言葉とは?」 「俺を見て『綺麗』だと言ったではないか」 「それはぁ……」 羞恥心が僕の頬を染めていく。 あれはつい本音が漏れてしまったというか、なんというか。 もしかしてその言葉が気に食わなかったから、リア・リセスは標的を僕に変えたんだろうか。 確かに女の人だったら、綺麗って言葉は褒め言葉になるだろうけど。男の人が綺麗なんて言われても嬉しくなんてないだろうし。もしかするとリア・リセスにとっては不愉快だったかもしれない。 「すみません……失礼な事言ってしまって」 「ん?何を謝っているのだ貴様は?」     
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