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真っ赤な顔で地べたにうなだれる僕をリア・リセスは上から見下ろしたまま、腕を組んでクツクツと笑っていた。
なんだ。そんな楽しそうな顔も出来るんだ。
そっちの方が普通の人間みたいでいいのに。
「よし。喜べ人間!俺は貴様に興味を持ったぞ」
「え、あ、有難うございます」
何故だか気に入られてしまったが。でも悪い気はせず、とりあえずお礼の言葉を言うが。その後のリア・リセスの笑みがまた意地悪な方へ変わった瞬間、嫌な予感がした。
「決めた。今日から貴様は俺の恋人だ!人間!」
「……な、なんですと」
王様の命令は絶対。
それを今日、初めて僕は身に染みて実感した気がした。
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