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「なら、どうして……」
理由もなく疑いたくはないけれど、何か裏があるとしか思えない。
でも、恋人になれって言われた時、僕は咄嗟に頷いてしまった。今更断るなんて出来るわけない。
「やっぱり無理」なんて言ったら、どんな目にあうか……。
いや、どっちにしろ。断った時点で僕は死んでいた気がする。元から拒否権なんて無かったんだ。
流石王様、庶民は逆らえません。
「でも。好きでもないのに付き合うなんていいのかなぁ……まぁ、顔は凄く好みなんだけど」
「ほぉ。貴様は俺みたいな顔が好みだったのか。因みに、どの辺が特に気に入っているのだ?」
「そりゃもう、あの綺麗な髪とか……って、え?」
最近、というか昨日聞いた覚えのある声に、咄嗟に毛布を剥いで上半身を起こした。
「ふっ。ようやく目が覚めたようだな人間。この俺がわざわざ足を運んでやっているのだ、さっさとそこから出てこい」
「ぎゃぁああああ!!ど、どうしてここに!?」
目覚ましを止めた時には居なかったはずなのに。いつのまにかリア・リセスが僕のベットで腰を下ろしている。
いつ、どうやってこの部屋に入って来たんだこの人。
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