弱虫ブルーと、魔界の王

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まさにヒーローだからこそ言えるかっこいい台詞に、思わず目頭が熱くなってしまった。 僕も一応ヒーローなのに殺されかけてるし。今も尻餅なんてついてかっこ悪い。 きっとレッド君じゃなければ今頃、呆れられているはずだ。 「でもどうして戦わなかったんだブルー?勝てない相手ではなかっただろうに」 「えっ、あ……うっ」 確かに僕に戦う勇気があれば、もしかしたら勝てていたかもしれない。けれど、まさか怖かったからなんて言えるわけもない。 誰にでも心優しい皆の憧れレッド君の前だとしても。そんなこと言ったらきっと幻滅される。 「ん?どうしたんだ?もしかして調子が悪かったのか?」 「え!?あ、う、うん……そ、そんな感じです……」 「大丈夫か?今日は早く帰って休まないとな!」 「う、うん」 こんなに分かりやすい僕の嘘にも信じてくれて、心配そうに僕の様子を見てくれるレッド君は本当に優しいというか、心が綺麗だ。 身体も鍛えているのか意外と筋肉あるし。細くサラサラの茶色の髪は今時の大学生みたいで憧れる。顔だって、まるで絵本の中から出てきた王子様のような凛々しい。 イケメンで、頼りになって、それでいて強い。まさに完璧なヒーロー。 僕もレッド君のようになりたいと、どれだけ思った事か。     
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