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「あ、やっべ」
「どうした?」
「ノート無くなってたの忘れてた」
「全く。昨日俺が前もって言っておいただろう?買いに行っとけって」
「あはは、忘れてた」
女癖が悪いどころか、何に対しても適当な所はコイツの悪いところだ。
将来ちゃんとした職に就けるのか、たまに心配になる。
「どうするんだ?確か今日は売店休みだったろ?おばちゃんが風邪で」
「えぇ~マジかよ。あ、じゃあコンビニ行っていい?確か近くにあったよな?」
そういえば、大学のすぐ近くにコンビニがあった気がする。
自分は普段スーパーだから、あんまり行った事は無いけど。
「じゃあちょっと行ってくるわ」
空になった食器を片付けて、コンビニへ向かおとする白井の後を、俺は何故か自然と後を追っていた。
頭にあったのは、俺の気になる人。
コンビニの制服を着た魔人。
その顔を思い出して、何故だか無性に確かめたくなった。
もしかしたらーー意外と近くにいるかもしれない。
そう思って。
「ま、そんなわけないか」
「なにが?」
「いや……」
少し期待して着いていったコンビニに、ガルディアの姿はなかった。
世間は狭いと言うけれど、流石にそこまでうまくいくわけはない。
だいたい魔人がコンビニで働いているなんて普通有り得ないし。もしかするとあれはただの私服だったのかもしれない。
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