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ピンポーン。ピンポーン。
ガルディアが入って行ったはずの部屋のチャイムを何度も鳴らして、俺はその扉が開くのをただ待ち続ける。
はたから見れば、借金取りが来たと思われるかもしれないが。そんなことを気にする余裕もない。
ピンポーン。ピンポーン。
「ガルディア!いるんだよな?出てきてくれないか!」
ピンポーン。ピンポーン。
「別にお前を倒しに来たとか、そう言うんじゃないんだ!ただ君と話がしたいだけなんだ!」
ピンポーン。ピンポーン。
「なぁガルディア!ガルディア!ガルディアーー!!」
「あぁあもう!何度も何度も俺の本名を言うんじゃねぇよ!他の住民に聞こえるだろうが!」
痺れを切らして部屋から出てきたガルディアは、勢いよくドアを開けたと思ったらいきなり俺の胸倉を掴んで、そのまま部屋の中へと放り投げた。
今が人間みたいに見えてるせいであまり実感が湧かなかったけど、大の男を片手で持ち上げたこの力といい、赤い瞳といい、やはりコイツはちゃんと魔人なようだ。
「それで?俺に何の用ですかねぇレッド様。戦いに来たわけじゃないって言ってましたが~?」
苛立ちで歪んだガルディアの顔は、これ以上関わるなと言いたげに距離をとっている。
確かによくよく考えたら、今のガルディアは敵に自分の本拠地が知られてしまった挙句。踏み入られてしまっているという危機的状況。警戒されても仕方ないのかもしれない。
けれど。そこまであからさまに避けられたら俺だって傷つく。
特に、好き奴には。
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