僕と悪の偽コイビト

正義を抱えたレッドと、コンビニ魔人

「キャーー！！誰か助けてぇ！！」

俺が住むこの町は、今日も誰かが助けを求めて叫んでいる

「誰かぁあ！！」

「大人しくしてろ、人間風情が」

か弱い人間が、邪悪な魔人に襲われる危機的状況のこの場面。

ここで格好良く現れ、そして悪を退治する。それが俺の仕事。
そしてーー。

「大人しくするのはお前の方だ、魔人」

「なっ！貴様はーーガァア！！」

正義のヒーローの仕事だ。

「炎の戦士レッド。参上」

「レッド様！」

「大丈夫ですか？」

「はい！有難うございます！」

「いいえ、貴方を守ることが俺の仕事ですから」

困っている人達を助け、そして悪を倒す。
テレビの中だけの存在だと思っていた正義のヒーローというのは、とてもやりがいのある仕事だ。

勿論、強くなる為の努力も怠らない。
大学に行かない日はジムに通って、食事もバランスよく食べ、睡眠はしっかりと七時間は必ず取っている。
そしてどんな魔人にも一切臆することなく立ち向かえる精神力も鍛えてる為に、崖登りや、滝打ちなんかも週に一度はしている。

けれどそれはあくまで魔人と戦う為の体作り。
皆の正義のヒーローなら、人々とのコミュニケーションも大事だ。