9人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ
ブルーのトラウマと、好奇心旺盛な王
ジリジリジリジリジ。
「うぅん……」
枕元で何度も鳴っていた目覚まし時計を止めて、もう一度毛布を大きく被る。
秋の朝は肌寒いうえに、昨日は色々あって寝不足だ。
しかし今日は平日。いつも通り学校があることは分かっていても、身体は起き上ることを拒んだまま動かない。
もう、このまま遅刻してしまおうか。
うん、そうしよう。だって昨日は本当に疲れたし。
因みに、あの後リア・リセスは「首を洗って、明日という日を楽しみに待っているがいい!」と、意味不明な言葉を残して立ち去ってしまった。
レッド君も、身体はボロボロだったが命に別状はなく。すぐに治療をしてもらって、そのまま家に帰宅したらしい。
ただ管理部会の人が言うには、その時のレッド君は珍しくどこか上の空だったらしく。僕も心配で昨日の夜メールをしてみたけど、未だ返事は来ない。
まぁでも、きっとレッド君も疲れていたのだろう。
僕も正直言うと、あれからずっと頭がボーとしている。
無理もない。
だって、ずっと会ってみたかったあのリア・リセスにーー。
『今日から恋人だ!』なんて言われて……。
「っ!!……こ、恋人って本気なのかな」
ふと昨日の告白を思い出して、冷えていた身体が一気に熱くなる。
リア・リセスは、どうしてあんな事を言ったんだろうか。
僕を好きだから……ってのは、多分無いと思う。
だってお互い初対面だったし、会話だってろくにしてないし、お互いの事まだ全然知らないし、僕なんかは特別顔が良いわけでもない。
最初のコメントを投稿しよう!