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タクミは、まるで生きた人間のように喋る精巧な作りをした性処理ロボットだ。
俺のいうとおりに動くように人工知能が組み込まれており、流石多額のお金を投資しただけの事はあるなと惚れ惚れした。
俺はこうして巨額のお年玉で、食べたい時に食べたいものを食べ、寝たい時に寝てタクミに性処理をしてもらう。こんな日々がずっと繰り返されるのだ。
全ての欲望を処理できたら、きっと幸せな筈だ。俺はずっとそう思っていたが、ちっとも心が満たされない。
それどころか、ずっと俺が文句を言い続けていた社員の鈴木がチームの女性と結婚する事を知って訳もわからず発狂した。
俺が欲しかったのは、欲望を満たすものではなく人の心なのか。人の心・・どんなに巨額のお年玉でも鈴木の心を買うことは出来ない。燻り続けた俺の心は、気がつけば破壊へと向かっていった。
タクミと狂ったように愛し合い、狂ったように泣き崩れた俺は・・・泣きながら鈴木の名前を連呼しながらタクミを裸で抱き続けるのだ。
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